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設計:テクノフロント(株)浅野哲哉 氏
施工・CG:松井建設(株)

圓徳寺新本堂の建替えについて

2024年に圓徳寺創建400年祭を迎えるにあたり、新本堂でとの先代住職の悲願を受け継ぐ形となり、新本堂・庫裡建設に向けて、ようやく実現の目途がつきました。
私たちは新時代に圓徳寺が向き合う問題を、(1)お寺としての在り方 (2)仏教としての在り方 (3)地域・市民としての在り方 の3つの項目に整理してみました。これまでの圓徳寺は歴史的に、(1)のお寺としての在り方(葬儀、ご先祖さまの供養)を追及してきました。しかしながら、これからも寺院として存続していくには、(2)と(3)を踏まえた新しい視点を持たなければならないと存じます。それはある意味では、「仏教の本質に帰る」ということになるのではないでしょうか。

過去に向き合う

Expansion伝統の拡充

1.過去に向き合う

お寺としての在り方

ご先祖供養の環境づくり
―〔やさしさ〕バリアフリー化と、こころの安心を求めて。

玄関参道の段差解消(フラット化)参道から建物内まで階段や斜面・段差がゼロで入れるようになります。また、新本堂は靴を脱がずに入れるようになります。
車椅子への対応車いすやベビーバギーに乗ったまま、本堂に入ってご供養できます。また、エレベーターでスムーズに上の階の客間に行けます。
地下納骨堂の創設墓地の代わりとなる、新しい形の個人墓として、地下納骨堂の設置を予定しています。
葬儀・思い出のスナップ写真のデータ化タブレットなどに、ご遺影やスナップ写真・お好きだった音楽や生前の肉声など、思い出の品々をデータ化して再現できることを考えています。
新しい水場・桶置き場・墓地階段の補修
本堂・庫裡の冷暖房化
トイレのユニバーサル化車いす利用対応、オストメイト対応、フィッティングボード、小さなお子様のためのベビーチェアといった機能がつく予定です。
本堂真下(地下)へ萬霊塔を移設朝な夕なの本堂でのお経が、萬霊塔(合祀墓)の仏さまにもあがるよう、現在屋外にある萬霊塔を本堂の仏さまの真下に安置します。
萬霊塔・納骨堂の過去帳の整備と供養萬霊塔・納骨堂ともに過去帳を整備し、圓徳寺と結んだ縁を、顕彰し供養していこうと考えています。
ペット供養の在り方今の時代、ご要望に合った方法を現在模索中です。
お焚き上げの場としての薪ストーブ
AEDの設置
イラスト
現在に向き合う

New新たな挑戦

2.現在に向き合う

仏教としての在り方

令和時代の仏教寺院の模索
― 伝統とニーズに即した つどいの場を創出します。

文化の発信地として

住職をはじめとした仏教講座仏教学や歴史学、哲学などの専門家を招いて、現代の「寺子屋」として、皆さまにこれからを生きていくための「知」を届けます。
書道(写経)教室
お茶(茶道)教室

その他

ドームシアター(360°全方向スクリーン)の活用
最大60名 - 茶室と屋上庭園を見ながらのイス席の会食場
結婚式・コンサート等、慶事への活用慶事にも圓徳寺が皆さまのお役に立てないか、現在模索中です。
気軽に利用できるコワーキングスペース(共働空間)テレワークなど多様な働き方が増えた現在、お寺ならではの共働空間の提供を考えています。
イラスト
非常時に向き合う

New新たな挑戦

3.非常時に向き合う

地域・市民としての在り方

圓徳寺が防災のひとつの拠点になります。

耐震構造

ライフラインの複数化

従来の電気系統
太陽光発電
災害用充電池の設置
薪ストーブの設置(炊出し・湯沸し)

その他

東京の中心地に〔知っている場所〕としての
避難所(檀信徒の帰宅困難者支援にも)にお寺を提供
東京の中心に仕事や勉強、買い物に来ていた時、すわ地震。そんなときに、知っている場所としてのお寺があることは、とても安心に思えます。地の利を生かした形で、世代を問わず活用されることを願います。
子ども110番
イラスト

終わりに

以上が、新本堂で実現したい様々なことです。夢のようなことだと考えられるかもしれませんが、実現に向けて努力することがこれからのお寺に必要なことに思われます。伝統とニーズという一見矛盾しているような事柄を、一生懸命考えてみたい。このような事々を多くの方々と語っていければと考えております。